大相撲の懸賞をめぐっては、インターネット上やSNSでいくつかの誤解が広まっています。代表的な事実誤認を整理します。
誤解1:「不戦勝でも懸賞金は全額もらえる?」
【真相】:不戦勝の場合、力士に懸賞金は渡されず、企業に全額返金されます。
対戦相手の休場により不戦勝となった場合、土俵上での取組(試合)が行われないため、懸賞の契約は不成立となります。企業側には出稿費用が返金されるか、翌日以降の取組に振替設定されます。
誤解2:「力士は懸賞金から税金を払っていない?」
【真相】:全額が厳格に個人事業主の所得として課税されています。
前述の通り、相撲協会が3万円を納税準備金として源泉徴収のように預かり、年度末の確定申告で力士自らが適正に申告・納税を行っています。最高税率(所得税45%+住民税10%等)が適用されるトップ力士の場合、手元に残る金額よりも納税額の方が大きくなるケースすらあります。
誤解3:「懸賞金はすべて勝った力士が独り占めできる?」
【真相】:部屋の付け人や裏方へ「祝儀(心付け)」として分配するのが角界の伝統。
土俵上で受け取った分厚い熨斗袋は、支度部屋に戻った後、身の回りの世話をしてくれる付け人(幕下以下の力士)たちや床山、呼出しらへの祝儀として配られるのが通例です。相撲界の共同体を維持する潤滑油としての役割も果たしています。