JUN MIKAMIの代名詞といえば、妥協のないハンドニットだ。ニットという素材は柔らかく、形が崩れやすい。しかし、三上純の手にかかると、ニットはまるで立体彫刻のような凛とした表情を見せる。
既製服の多くが機械編みで製造される中、彼女は手編みでしか表現できないゲージの太さ、編み目の密度、そして毛糸の張り感にこだわり続ける。一般的なニットウェアが持つ「ほっこりとした質感」や「ナチュラル感」とは一線を画す。モードとしての緊張感と、手仕事ならではの温もりが絶妙な均衡を保っている。
コレクションごとに発表されるハンドニットは、職人が何十時間もかけて一針ずつ編み上げる。量産が不可能に近いアイテムも少なくない。それでも彼女がこの手法にこだわるのは、糸から服の形へと変化するプロセスそのものに、デザインの本質が存在していると考えているからに他ならない。