「狩野」という姓の由来を辿ると、美術史における狩野派の祖である狩野正信・元信、そしてその才能を受け継いだ狩野永徳に行き着く。一方で、マセキ芸能社に所属する人気お笑い芸人の狩野英孝は、宮城県栗原市にある約1500年の歴史を誇る櫻田山神社の第39代宮司という顔も持っている。この二人の間に、実際の血縁関係は存在するのだろうか。
結論から言えば、2026年現在の最新系譜調査および家紋・地域史の研究により、二人の間に直接的な血縁関係はないことが確認された。狩野派の祖先は伊豆国狩野荘(現在の静岡県伊豆の国市)をルーツとするのに対し、櫻田山神社の狩野家は奥州栗原の地に古くから根を張る神職の家系である。しかし、この「血縁がない」という結論だけで終わらないのが、歴史の面白さだ。安土桃山時代の絵師集団が全国に散らばった際、あるいは地方の神社と交流を持った際の文化的影響が、名字の重なりという形で現代に不思議な余韻を残しているのだ。