サイヤング賞の受賞者は、ファン投票や監督・選手の推薦ではなく、全米野球記者協会(BBWAA)に所属する記者たちの厳正な投票によって決定します。
具体的な投票形式は次の通りです。
- 投票人数:各リーグ15球団の本拠地都市から選ばれた記者各2名、合計30名(両リーグ合わせて60名)が投票を担当。
- 投票システム:記者は1位から5位までの投手を順位付けして投票。
- ポイント配分:1位=7点、2位=4点、3位=3点、4位=2点、5位=1点として集計し、総獲得ポイントが最も高い投手が受賞。
投票はレギュラーシーズン終了直後、ポストシーズンが始まる前に行われます。つまり、プレーオフやワールドシリーズでの活躍ぶりは一切加味されず、あくまで162試合のレギュラーシーズンの成績のみが評価対象となります。
選考基準における評価トレンドも時代とともに激変しました。かつては「勝利数」や「規定投球回」の到達が最重要視されていましたが、現代野球では打線の援護に左右されやすい勝利数の価値が後退。現在では防御率(ERA)をはじめ、投手の真の制球力・奪三振力を測るFIP(守備力に依存しない防御率)、被打率、奪三振率(K/9)、WHIP(1イニングあたりに出す走者数)、そして勝利への貢献度を示すWAR(Wins Above Replacement)といった高度なセイバーメトリクス指標が当落を分ける最大の要因となっています。