出産直後の女性の身体は、劇的なホルモンバランスの変動に晒されている。産婦人科医の宋美玄氏は、産後の女性が直面する心身の変化について、急激なエストロゲンの低下と授乳ホルモンの分泌が母性本能を極限まで高め、結果として我が子を守るための「警戒モード」に入ると指摘する。この生物学的な防衛本能が働く中で、育児に対して当事者意識の薄い夫の姿を目にすると、脳はそれを「脅威」あるいは「非協力的な存在」と判定し、生理的な拒絶反応を引き起こすのだ。
夜泣きする赤ちゃんのおむつを替えることもなく隣で寝息を立てる夫の姿、仕事から帰宅して「今日は疲れた」と口にする無神経さ。こうした日常の些細な言動が積もり重なり、妻のイライラは一息に限界突破を迎える。決して心が狭くなったわけではない。過酷な睡眠不足と命を守る責任感の中で、心身が限界信号を発している証拠なのだ。