角界の歴史に刻まれる第73代横綱・照ノ富士春雄。そして新進気鋭の若手として大きな期待を担う伯桜鵬哲也。この二人に共通するのは、十代の多感な時期を鳥取城北高等学校の土俵で過ごしたという事実だ。同校の相撲部は、単に恵まれた体格の生徒を集めているわけではない。徹底した基本動作の反復と、実戦さながらの厳しい稽古が日夜繰り広げられている。
本場所さながらの緊張感が漂う道場。稽古場に足を踏み入れると、指導陣の鋭い叱咤と力士たちの息遣いだけが響く。日本相撲協会へ数多くの実力派力士を送り出し続ける背景には、個々の骨格や筋力に応じた緻密な科学的トレーニングと、食育を含めた手厚い生活サポートがある。才能に依存せず、泥臭く技を磨き上げる姿勢こそが、最高峰の舞台で躍動する力士を育む土壌となっているのだ。