映像美とリアリズムが極限まで求められる現代の映画産業において、指を切断するような過激なシーンをいかにリアルかつ安全に撮影するかは、美術スタッフや特殊メイクアップアーティストの手腕にかかっている。かつては画角の工夫やカット割りで誤魔化していた表現も、最先端の特殊造形とCG(VFX)の融合により、息をのむような生々しさを獲得した。
撮影現場では、俳優の指に装着するシリコン製の精密な義指や、切断面から流れるダミーの血液の粘着度にいたるまで、ミリ単位の計算がなされている。さらに、緑色のカバーを指に装着して撮影した後にデジタル処理で消失させる「クロマキー技術」と、リアルな肉体質感を再現する特殊メイクを組み合わせることで、カメラが至近距離まで寄っても破綻しない完璧なイリュージョンが生み出されている。観客が覚える強い戦慄は、日本の映像技術陣が誇る圧倒的な職人技の賜物なのだ。