料理学校の教育現場でも変化が起きている。かつては「体で覚えろ」と教えられていたさじ加減だが、タイマーや高精度スケールに囲まれて育ったデジタルネイティブの調理師志望者にとって、「少々」という指示は不親切なブラックボックスに映る。
都内の調理師専門学校では、学生に微量計量スプーンで計測させつつ、同時に自分の指先でつまんだ重さを感覚ログとして記録させる授業が導入された。直感を否定するのではなく、直感の裏にある再現性を科学的に理解させる試みだ。人間が持つアナログな感覚をいかに次世代に継承するかが、今まさに試されている。