実は、店舗の棚で文字を読まなくても一瞬で判別できる仕掛けがある。紙パックの上面、開け口の反対側にある「切欠き(きりかき)」と呼ばれる小さな扇形のくぼみだ。
この切欠きは、視覚障害を持つ方が手で触って「生乳100%の牛乳」であることを識別するために作られたバリアフリー規格である。同時に、どちらが開け口かを手触りで教える役割も果たす。重要なのは、このくぼみが許されているのは無脂乳固形分8.0%以上・乳脂肪分3.0%以上の「純粋な牛乳」だけという点だ。「成分調整乳」や「乳飲料」、「加工乳」のパックには、このくぼみは存在しない。指先の感覚ひとつで本物を見分けられる知恵だ。