一時期のメディカルダイエット狂騒曲や極端なケトジェニックの波が去り、フィットネス業界には冷徹なまでの現実主義が戻ってきた。過度な食事制限がもたらす結末は、一瞬の数字の減少と、その後に確実に訪れる代謝低下、そして精神的な破綻だ。人間の身体が安全に脂肪だけを分解できるペースには、明確な生理学的限界が存在する。
体脂肪1キロを消費するために必要なエネルギーは約7,200キロカロリー。つまり、2キロの脂肪を減らすには1ヶ月で約14,400キロカロリーのアンダーカロリーを作る必要がある。これを日割りに換算すると、1日あたり約480キロカロリー。ご飯1杯強を控え、日常の活動量をほんの少し増やすだけで達成できる現実的な数字だ。この無理のない設定こそが、ストレスホルモンであるコルチゾールの暴走を抑え、甲状腺機能の低下を防ぐ黄金比率となっている。