『狗神』と同じく2001年に公開された大作映画が、『千年の恋 ひかる源氏物語』です。東映創立50周年記念作品として製作されたこの映画で、天海祐希は主人公・光源氏役に抜擢されました。
女性でありながら当代きっての貴公子・光源氏を演じ、吉永小百合や高島礼子ら豪華女優陣を相手に、数々の幻想的な恋愛シーンやキスシーンを披露しました。宝塚仕込みの気品あふれる立ち居振る舞いの中に、どこか退廃的な大人の色気を漂わせた光源氏の姿は、多くの観客を陶酔させました。
1995年の宝塚退団後、映画や舞台で幅広い役に挑戦していた天海祐希にとって、2001年は「女性としての情念を極限まで演じた『狗神』」と「究極の男装美を描いた『千年の恋』」という、両極端の愛の表現に挑んだキャリアの大きな転換期だったのです。