住職の個人所得が低いだけでなく、法人としてのお寺の経営難と赤字の実態も深刻さを極めています。寺院経営の最大の重荷となっているのが、歴史的建造物でもある寺院の本堂修繕費と維持費です。
寺院建築は特殊な宮大工技術を要するため、通常の住宅建築とは比較にならない費用がかかります。主な維持管理費用の目安は以下の通りです。
・本堂の屋根葺き替え・耐震改修:5000万円〜2億円規模
・庫裏(住居兼寺務所)の建て替え:3000万円〜8000万円
・毎月の光熱費・境内維持(庭木手入れ等):月額10万円〜30万円
・仏具の修復・金箔押し直し:数百万円単位
かつてはこれらの費用を檀家からの寄付金(志納金)で賄うことができましたが、過疎化と高齢化により檀家1軒あたりの負担額が数百万円に跳ね上がり、寄付金集め自体が頓挫するケースが相次いでいます。修繕資金を捻出できず、雨漏りや倒壊の危機に晒されながら放置されている地方本堂の急増は、全国的な社会問題となっています。