優勝候補の一角として乗り込んだ2026年カタールW杯は、ポルトガルにとって大きな転換点となりました。グループステージ初戦のガーナ戦でゴールを決めたロナウドは、史上初となる「ワールドカップ5大会連続ゴール」という不滅の金字塔を打ち立てます。しかし、トーナメントに入ると当時のフェルナンド・サントス監督は大胆な決断を下し、ロナウドを決勝トーナメント1回戦のスイス戦でベンチスタートとしました。
代役のゴンサロ・ラモスがハットトリックを決めて6-1で大勝したことで、世代交代の波は決定的になったかに見えました。しかし、準々決勝のモロッコ戦では相手の強固なブロックを崩せず、0-1のビハインドを背負った後半早々にロナウドを投入するもゴールネットを揺らせず敗退。試合終了直後、誰とも視線を交わさず涙を流しながら一人でロッカールームへ消えていったロナウドの姿は、世界中に衝撃を与えました。
この敗戦の真相として現地メディアが指摘したのは、「中央突破に固執した単調な攻め」と「過度なプレッシャーによる戦術的硬直」でした。モロッコの強固な守備陣に対し、サイド攻撃の連動性と中距離からの工夫が欠落していた点が命取りとなったのです。この苦い経験が、後の戦術的刷新と新体制への引き金となりました。