かつては商業的なポップスとして扱われることも多かったGSサウンドだが、現代の音楽ディグファーや海外のコレクターによる見解は大きく異なっている。オックスの音源には、日本独自の情緒を宿した昭和歌謡の美しいメロディラインと、欧米のファズ狂いなガレージ・ロックが持つ荒々しいダイナミズムが見事に同居しているからだ。
赤松の歪んだファルフィッサ・オルガンのフレーズと、福井らの叩き出す重厚なリズムセクション。失神劇というスキャンダリズムの裏に隠されていたその尖ったアンサンブルは、現在「60sアジアン・ガレージパンクの最高峰」として世界中で再発見されている。