夏の風物詩の筆頭であり、数十万人が行き交う隅田川花火大会のような大規模イベントでは、スタイリングの実用性が厳しく試される。人混みの中でもたつくことなく、必要なものをスマートに出し入れできる収納力と、人混みでも型崩れしないタフさが不可欠だ。
スマートフォン、小型の扇子、リップ、手ぬぐい。厳選した携行品を無駄なく収めつつ、あえてメンズ発祥の信玄袋をジェンダーレスに取り入れるファッショニスタも急増している。組紐をきゅっと絞り、指先に引っ掛けて歩く無骨なシルエットは、甘さを抑えた大人の浴衣姿に心地よい緊張感を与える。
帯周りの飾り紐や下駄の鼻緒とバッグの色調をわずかにずらし、トーンオントーンでまとめるのが今年流のテクニックだ。完璧な同色で揃えるのではなく、素材感の差異で魅せる。その微差こそが、周囲と圧倒的な差をつける秘訣となる。