駅から北へ少し歩くと、静けさが街を包み込む。日本仏法の祖とされる聖徳太子が593年に建立した四天王寺だ。飛鳥時代の面影を残す伽藍配置は、どれほど都市化が進もうとも変わらない圧倒的な存在感を放つ。
毎月21日と22日の「大師会」「太子会」には、今も露店がずらりと並び、境内はお参りの人々で溢れ返る。境内の骨董市で古書を買い求めていた地元の男性は、「ここで過ごす時間は格別です。周辺の高層ビルを背景に線香の煙が立ち上る光景は、この街ならでは」と笑う。伝統を守りながら暮らす人々の温かい眼差しが、この地域の精神的な骨組みを作っている。