『人として』の歌詞を深く考察する上で、最も核心となるのが「かっこよく生きていたい」というフレーズです。この短い言葉に込められた意味は、世間一般で言われる容姿の良さや要領の良さとは対極に位置しています。
歌詞中では、「人は騙すし、人は裏切る」という人間の残酷な一面がストレートに提示されます。誰もが一度は経験する人間不信や失望感を隠すことなく言葉にしつつも、楽曲はそこで決して他者批判や絶望に逃げません。他人がどうあれ、「それでも自分は人を信じたい」「自分は誠実でありたい」と宣言する姿勢こそが、彼らの定義する“かっこよさ”なのです。
ボーカルの渋谷龍太が放つ歌詞のメッセージは、他人の行動を変えることの難しさを知った大人が、最後に辿り着く「自分自身の美学」を明確に示しています。誰かのせいにせず、自らの意志で正しい道を選び取る覚悟が、聴く者の背筋をピンと伸ばしてくれます。