インドネシアの小スンダ列島に位置するスンバワ島。この島に座すタンボラ山は、数千年にわたる静寂を破り、1815年4月に突如として猛烈な活動を開始しました。それまで標高およそ4,300メートルを誇る成層火山として威容を誇っていましたが、この噴火によって山体そのものが根底から破壊されることになります。
噴火の兆候は1812年頃から始まっていましたが、決定的な破局を迎えたのは1815年4月5日でした。凄まじい爆発音とともに高さ数十キロメートルに達する噴煙柱が立ち昇り、その轟音は1,000キロメートル以上離れたジャワ島やスラウェシ島にまで届いたと記録されています。
そして4月10日夜から11日にかけて、噴火は最悪のピーク(クライマックス)に達しました。火口から立ち昇った噴煙は高度約40キロメートル以上の成層圏にまで到達。巨大なマグマが一気に噴出したことで火口付近が大規模に陥没し、山頂部分がごっそりと消失しました。これにより、直径約6〜7キロメートル、深さ1キロメートルを超える巨大なカルデラが誕生。標高は元の約4,300メートルから2,851メートルへと激減し、火山の姿は一変しました。
この大爆発で放出された総噴出量は、火山灰や軽石などを含めて約150立方キロメートルに達したと推計されています。これは、近代観測史上最大とされる1991年のフィリピン・ピナトゥボ山噴火の10倍以上、1707年の富士山宝永噴火の約150倍という圧倒的な規模です。火山爆発指数(VEI)において、タンボラ山の噴火は過去1万年間で数例しかないVEI-7に格付けされています。