日本の乳製品産業の歴史は、プロセスチーズの進化と共にある。戦後の食糧難から高度経済成長期にかけ、日本人のカルシウム不足を救った立役者は、間違いなく国内メーカーのたゆまぬ技術開発だった。
パイオニアである雪印メグミルクは、日本人の繊細な味覚に合わせた滑らかな口どけとクセのない風味を追求し、給食から家庭の食卓までチーズを日常の食品へと定着させた。また、「Q・B・B」ブランドで知られる六甲バターは、世界初の個包装スライスチーズやスティックタイプのベビーチーズを開発し、消費者のライフスタイルに寄り添うブレイクスルーを次々と起こしてきた。
農林水産省の最新データを見ても、日本国内のチーズ消費量は高水準を維持している。近年では、大手メーカーも輸入原料頼みから脱却し、国産生乳を用いた高品質なクラフト系ナチュラルチーズの製造に力を入れるなど、市場はかつてない多様化の時代を迎えている。