インターネット上の質問掲示板などでは、「中袋がない香典袋はマナー違反であり、必ず白い無地封筒を自分で用意して二重にすべきだ」という極端な意見が見られることがあります。しかし、これは明確な誤解です。
前述の通り、弔事における「二重」は不幸の重なりを連想させる忌み言葉・忌み事と結びつく側面があり、市販されている印刷金封は最初から一重で使用することを想定して設計されています。自作で無理に二重封筒を作ると、かえって封筒が分厚くなり、受付での取り扱いや記帳の邪魔になってしまう弊害があります。
また、包んだ香典袋をそのままスーツのポケットやバッグから剥き出しで取り出す行為は、中袋の有無にかかわらず明確なマナー違反です。不祝儀袋は必ず袱紗(ふくさ)に包んで持参するのが大原則です。
弔事用の袱紗は、紺・グレー・紫などの寒色系(特に紫は慶弔両用)を用います。包む際は、袱紗をひし形に広げて中央右寄りに香典袋を置き、「右 → 下 → 上 → 左」の順に折り込み、左側が最後に重なる「左開き」にするのが弔事の厳格な作法です。受付で渡す直前に袱紗から取り出し、相手から見て文字が読める向きに時計回りに回転させて両手で差し出します。