主演を務めるティモシー・シャラメの鬼気迫る演技も見逃せない。これまでの洗練された貴公子像を完全に脱ぎ捨て、絶望と希望の狭間で苦悩する主人公を肉体美と繊細な表情の変化で見事に体現している。彼はこの役作りのために過酷な減量と厳しいトレーニングを重ねて撮影に臨んだ。
映画関係者の間では、本作での彼のパフォーマンスが来たるアカデミー賞の主演男優賞レースにおいて本命視されることは確実だと囁かれている。フィンチャー監督の苛烈な演技指導に応え、役柄の深淵へと潜り込んだシャラメの挑戦は、彼のキャリアにおける最大の転換点となるだろう。