脳梗塞という重病からの生還、そして復帰への道は凄絶を極めた。指先の繊細な動きを取り戻すための理学療法、そして失われた発声機能を再構築するボイストレーニング。彼を支えたのは、病床でも途切れなかった表現への執念と、長年共に歩んで来たバンド「実験台モルモット」のメンバー、そして家族の手厚いサポートだった。
「焦って不完全な姿で復帰しても、ファンを失望させるだけだ」。彼はリハビリの進行状況を軽々に公表せず、人知れず汗と涙を流し続けた。身体のコントロールを一つひとつ取り戻し、かつての美しい立ち振る舞いを取り戻した時、彼は再びカメラの前、そしてマイクの前に立つ決意を固めた。その復帰劇は、医療関係者にとっても「奇跡的」と評されるほどの驚異的な回復力によるものだった。