劇団の歴史を語る上で欠かせない記念碑的作品が、和物ミュージカルレビュー『千年桜雅』である。平安の雅びと切ない運命のドラマを描いたこの大作は、劇団の表現力を一気に全国区へと押し上げた名作として今なお語り継がれている。
本作において絶大な存在感を放ったのが、特別出演として劇団の黎明期から精神的支柱を務めてきた元宝塚歌劇団星組の鳴海じゅんや、創設期を支えた元男役スターの碧海澪らである。重厚な着物を纏いながらの流麗な殺陣、哀愁を帯びた眼差し、そして空間を支配する圧倒的な声量。彼女たちが体現した和物レビューの神髄は、客席の息を完全に止めた。
「男役10年」と言われる厳しい世界で培われた色気と品格は、一朝一夕で身につくものではない。鳴海や碧海らが残した高いハードルは、後進の座員たちにとって超えるべき偉大な指標となった。『千年桜雅』が示したものは、単なるノスタルジーではなく、少女歌劇の様式美が新しい劇場空間で強烈に息づくという生きた証明だった。