花首が垂れてしまった紫陽花を救うには、業界で標準化されている「水揚げ・湯揚げ技法」が極めて有効だ。まずは切れ味の良いハサミで茎を斜めに深めにカットし、断面積を広げる。次に、ハサミの刃先やピンセットを使って茎の内部にある白いワタをしっかり掻き出すのがポイントだ。
ここで登場するのが熱湯を使う湯揚げだ。花の部分を新聞紙でしっかりと包み、湯気から守った上で、茎の切り口を沸騰したお湯に10秒〜20秒ほど浸ける。これにより導管内の気泡が押し出され、内部の樹液も溶け出す。その後すぐに冷水に移せば、驚くほどの勢いで水が上がり始める。技術を磨いた第一線のフローリストたちが日常的に行う、実に合理的な水揚げテクニックだ。