本作の基本舞台は、高い壁に囲まれたとある少年刑務所。収容された少年たちは、犯罪に手を染めるに至ったそれぞれの重い事情(貧困、家庭環境、裏切り、突発的な事故など)を抱えています。刑務所内では、赤と青の囚人服を着た2つの房に分かれ、些細なきっかけから毎日のように激しい抗争が繰り返されていました。
しかし、冷酷無比な看守長による理不尽な暴力や精神的抑圧に直面する中で、少年たちは次第に「本当に戦うべき相手は仲間ではなく、自分たちを閉じ込める不条理な壁そのものである」と気づき始めます。いがみ合っていた赤房と青房のリーダーが心を通わせ、やがて少年全員で綿密な脱獄計画を実行へと移します。
脱獄のクライマックスでは、仲間を逃がすために自らを犠牲にするメンバーの悲劇が描かれ、銃声とともに訪れるあまりにも切ない別れが観客の涙を誘います。単なる脱獄劇にとどまらず、「自由とは何か」「生き直すとはどういうことか」を問いかけるストレートなメッセージ性が、この物語の根底に流れています。
ファンや舞台関係者の間で語り継がれる名シーンとして、以下の3つが挙げられます。
- 桶ダンス(浴室シーン):過酷な刑務所生活の中で唯一の息抜きとなる入浴場面。木桶だけを使って巧みに身体を隠しながら軽快に踊る、伝統的かつユーモラスなハイライトです。一糸乱れぬフォーメーションと肉体美が要求される難度の高いシーンとして知られます。
- 手紙の朗読シーン:劇中で少年たちが家族や仲間、あるいは未来の自分に向けて書いた手紙を読み上げる場面。公演時期によっては、演者本人が自身のリアルな生い立ちやアイドル活動における挫折・不安をアドリブを交えて告白する演出が取られ、客席の涙を絞り出しました。
- 対立から和解への楽曲「闇を突きぬけて」:赤と青のメンバーが身体を激しくぶつけ合いながら歌い踊り、やがてひとつの強い意志へと収束していく緊迫感あふれるナンバー。本作を象徴する劇中歌です。