事件の核心は、周囲の誰もが長年気づけなかった異常な送金工作にあります。捜査資料によって明らかになった水原一平の詐欺手口は、極めて計画的かつ悪質なものでした。2018年に大谷選手のアリゾナ州の銀行口座開設を手伝った際、口座の認証設定やオンラインバンキングの管理権限を実質的に掌握。その後、口座の通知先メールアドレスや電話番号を自身の端末情報へ秘密裏に書き換えていました。
銀行側が不審な大口送金を察知して確認の電話を入れた際にも、水原氏は自ら大谷翔平本人になりすまして電話口で応対し、セキュリティ質問に虚偽回答して送金を強行突破していました。大谷選手の会計士、税務顧問、代理人チームに対しては「翔平はこの口座をプライベートな預金として扱っており、他人に干渉されたがらない」と虚偽の説明を繰り返し、専門家による口座監査の目を完全に遮断していたのです。
水原一平の違法賭博の経緯を辿ると、2026年秋にサンディエゴのホテルで違法ブックメーカーの胴元と接触したことが破滅の始まりでした。当初の少額賭けから急速に泥沼化し、1回あたりの賭け金が数万ドルへとエスカレート。約1万9,000回にも及ぶ賭博取引の結果、水原一平の借金総額は天文学的な数字に膨れ上がり、その穴埋めとして大谷選手の資産に手を付け続けたのです。