インターネット上のサッカーコミュニティやSNSでは、しばしば「エジプトはサラーが封じられれば終わる」という言説が見受けられます。しかし、現場の戦術データと試合展開を検証すると、この見解は大きな誤解であることが浮き彫りになります。
ホサム・ハッサン監督就任以降の戦術的変化は明確です。サラーが右サイドで相手ディフェンダーを2枚引きつけることで、中央や逆サイドに広大なスペースが生まれます。そこへマルムシュの鋭いダイアゴナルランや、インサイドハーフの積極的な飛び出しを組み合わせることで、得点パターンの複線化に成功しました。
現地スポーツ紙の記者は「かつてはボールを持てば誰もがサラーを探していたが、現在はサラーがデコイ(囮)となり、逆サイドのマルムシュや前線のモスタファが決める形が確立された」と指摘しています。「サラーを囮に使える贅沢な組織力」こそが、現在のエジプト代表の真骨頂です。