一日千秋(いちじつせんしゅう/いちにちせんしゅう)とは、「一日が千年の秋(千年間)のように非常に長く感じられるほど、待ち遠しくてたまらない心情」を指す四字熟語です。
文字通り分解すると、「一日」という極めて短い時間が、主観的な感覚において「千秋(千回訪れる秋、すなわち千年)」に匹敵するほど引き延ばされる心理状態を鮮やかに描写しています。単に「待っている」という事実だけでなく、待ち望む対象に対する強い憧れ、期待、あるいは焦燥感が凝縮されている点が大きな特徴です。
読み方については、「いちじつせんしゅう」と「いちにちせんしゅう」の双方が流通しています。文化庁の国語施策資料や『広辞苑』『大辞林』『日本国語大辞典』などの主要辞書における取り扱いを確認すると、本来の伝統的・慣用的な本則は「いちじつせんしゅう」です。「一」を「いち」、「日」を漢音の「じつ」と読む漢詩・四字熟語の定型に従っています。
一方で、現代日本語の日常的な音読みに引っ張られた「いちにちせんしゅう」も慣用読みとして完全に定着しており、主要辞書でも許容読みや見出し語として併記されています。公の場でのスピーチや格式高いビジネス文書、アナウンスメントにおいては本則である「いちじつせんしゅう」を用いるのがより格式高く自然ですが、日常会話において「いちにちせんしゅう」と発音しても誤りとは見なされません。