稲垣来泉の名を広く世に知らしめた原点は、2019年に放送されたドラマ『TWO WEEKS』(カンテレ・フジテレビ系)における青柳はな役でした。白血病を患い骨髄移植を待つ娘という難役に対し、当時8歳とは思えない純度の高い感情表現を披露。父親役を演じた三浦春馬との間に流れる本物の親子のような温かい空気感は、多くの視聴者の胸を締め付けました。
当時の制作発表記者会見や特番インタビューにおいて、三浦が「現場に来るだけで自然と父性が引き出される」と語り、スマートフォンの待ち受け画面を稲垣の写真にしていたというエピソードは有名です。稲垣自身も三浦を実の父親のように慕い、カメラが回っていない時間にも積極的に対話を重ねていたことが、あの奇跡的な化学反応を生み出しました。
さらに2026年のNHK連続テレビ小説『ちむどんどん』では、ヒロイン・比嘉暢子の少女時代を担当。沖縄の広大な自然を裸足で駆け回り、貧しい家庭環境にあっても前を向く生命力あふれる少女を熱演しました。シリアスな涙の演技だけでなく、底抜けの明るさと食への情熱を全身で体現したことで、国民的女優への階段を一気に駆け上がったのです。
また、2026年の映画『そして、バトンは渡された』での「みぃたん」役では、複雑な家庭環境に翻弄されながらも笑顔を絶やさない健気さを演じきり、映画レビューサイトや報知映画賞などでも高い評価を獲得。「泣かせにかかるあざとさ」が一切ない、自然発生的な涙を誘う演技力こそが、彼女が天才と称される最大の理由でした。