SNSやネット動画で散見される「手元にあるクレンジングオイルやハンドソープで簡単に洗える」という情報は、重大な落とし穴を孕んでいます。
まず、クレンジングオイルには多量の油分が含まれています。パフの多孔質構造にクレンジングの油分が入り込むと、どれだけすすいでも完全に乳化して抜けきらず、パフ内部に残留します。その結果、次にファンデーションを使う際にパフに残ったクレンジング成分がファンデの油分を分解し、「顔に塗ったそばからメイクが崩れる」「残留成分で肌がかぶれる」という本末転倒な事態に陥ります。
また、ハンドソープでの代用もおすすめできません。ハンドソープは手の皮脂膜を適度に残すよう調整されているか、あるいはアルカリ性寄りで作られているものが大半です。パフの主原料である合成ゴムやポリウレタンはアルカリ性に弱く、繊維がパサパサに硬化して肌触りが著しく低下します。
さらに危険なのが、ネット上で一部推奨されている「電子レンジ加熱での殺菌」や「熱湯消毒」です。スポンジに含まれる合成樹脂は耐熱温度が60〜80℃程度であるため、マイクロ波や沸騰水に晒すと内部構造が溶解し、有害物質の揮発や変形事故を招きます。消毒をしたい場合は、熱ではなく「専用洗剤に含まれる除菌成分」と「完全乾燥」で対処するのが科学的に正しいアプローチです。