新宿駅西口のヨドバシカメラ街を抜けた路地裏、雑居ビルの2階へと続く急な階段には、日常的に20人から30人規模の行列が形成されます。それでも客足が途絶えない最大の要因は、「味・ボリューム・価格・スピード」という飲食店に求められる4大要素が極めて高い次元で融合している点にあります。
一般的な都内のとんかつ専門店では、定食1食あたり1,500円から2,500円が相場となりつつある中、豚珍館では1,000円台前半を中心とした価格設定を頑なに堅持しています。しかも、提供される肉は圧倒的な厚みを誇り、皿には山盛りのキャベツが添えられます。
さらに特筆すべきは、炊きたてのご飯と具沢山の豚汁が何度でもおかわり自由であるという点です。単に満腹になれるだけでなく、「お腹いっぱい食べて午後への活力を養ってほしい」という創業時からの明確な哲学が、世代を超えて新宿のワーカーたちを引きつけて離さない原動力となっています。