ネット上の園芸コミュニティなどで「枝を切っただけではナスは復活しない」「根切りや追肥をしないと枯れる」という言説が飛び交っていますが、この指摘は植物生理学の観点からも紛れもない事実です。
枝葉を切り戻すと、地上部のボリュームに対して地下部の根の量が過剰になります。また、夏の高温乾燥で表層の根は老化・酸化して機能不全に陥っています。このアンバランスを解消するのが「根切り」と「お礼肥(追肥)」の工程です。
根切りの実践手順と施肥量
枝の切り戻しを終えた直後、以下の手順で土壌環境を刷新します。
- 株元から約25〜30cm離れた円周部に、スコップ(移植ごて)を垂直にザクザクと深さ15〜20cmほど差し込みます。全周の3〜4箇所にスコップを入れることで、老化して広がった古い根を意図的に切断します。
- スコップを軽く手前に引いて土を持ち上げ、できた隙間に化成肥料(8-8-8など)を1株あたり約30〜40g(ひと握り程度)、または完熟牛ふん堆肥を一握り投入します。
- 隙間を土で埋め戻し、株全体に根元の肥料が馴染むようたっぷりと水やりを行います。
切断された古い根の断面からは、わずか数日で旺盛な新しい白根が爆発的に発生します。投入されたお礼肥を新根がダイレクトに吸収することで、剪定から約7〜10日後には節々から勢いのある新芽が力強く吹き出してきます。
プランター栽培における根切りの注意点
なお、限られた土壌容量で育てるプランター栽培では、地植えと同じ感覚で全周の根を切るとダメージが大きすぎて枯死する危険があります。プランターの場合は「株の両サイド2箇所に細い棒やスコップを垂直に刺して部分的に根を切る」程度に留め、液体肥料(規定倍率)を1週間に1回のペースで与える方法が安全です。