ひと昔前のヒアルロン酸注入といえば、刻まれたシワの直下にジェルを注入して溝を平らに押し上げる手法が一般的でした。しかし、この旧来の手法では、笑ったときに注入部位がミミズ腫れのように盛り上がったり、口元だけが前に突出して見える「注入過多(オーバーフィルド・シンドローム)」を引き起こす要因となっていました。
現在、トップクラスの現場で採用されているのは、顔全体の構造を立体的に捉える「MDコード(解剖学的アプローチ)」に基づく注入法です。ほうれい線の溝そのものに大量のヒアルロン酸を注入するのではなく、頬の支持靭帯(リガメント)やこめかみ、頬骨周囲の深部(骨膜上)に硬さのあるヒアルロン酸を少量ずつ配置します。これにより、顔全体のたるみを根本から引き上げてほうれい線を薄くすることが可能となり、表情を動かしても皮膚が突っ張らない極めて自然な仕上がりを実現しています。