出店が始まった金正日時代から、権力継承を経て核・ミサイル開発を加速させた金正恩時代へ。体制が変遷するにつれ、特区を取り巻く国際政治経済の力学は決定的に変質していった。朝鮮労働党にとって、特区は貴重な外貨獲得源でありながら、資本主義の「黄色い風(退廃的な文化)」が国内に流入する危険な感染源でもあった。
コンビニという業態は、自由な物流、安定した電力網、通信インフラ、そして個人の自由な購買行動を前提として成立する。思想統制と軍事優先を絶対とする独裁体制と、究極の顧客利便性を追求するコンビニモデル。この二つが長期的に共存することは、構造的に不可能だったと言わざるを得ない。政治の風向きひとつでサプライチェーンが断ち切られるリスクは、あまりにも高すぎた。