デビュー当初からトントン拍子に主役へ躍り出たわけではない。事務所に入ったものの、なかなか芽が出ず、バラエティ番組の再現ビデオや深夜のコント番組で体当たりの演技を披露する日々が続いていた。当時の現場を知る制作スタッフは「どんな過酷なロケでも嫌な顔ひとつせず、常に本気でぶつかっていた」と述懐する。
転機となったのは20代前半の主演作だった。日常の機微を拾い上げる繊細な表情づくりと、感情を爆発させるセリフ回しのギャップがプロデューサー陣の目に留まり、次々とゴールデン帯の主役に抜擢。苦労人だからこそ持ち得た泥臭さと親しみやすさが、画面越しに視聴者の共感の輪を広げていった。