高齢者施設において、スタッフが最も神経を尖らせるのが「転倒事故」です。立ち上がって行う運動は効果が高い反面、一瞬のふらつきが大怪我につながるリスクを常に孕んでいます。そこで注目されたのが、臀部を椅子に固定した状態で行うアプローチです。
座った姿勢は骨盤が安定するため、体幹を意識したダイナミックな動きが可能になります。上半身を大きくひねる、腕を交互に突き出す、足踏みをする。これらの動作は、座っていても十分に心拍数を上げ、有酸素運動と同等の効果をもたらします。「座っているから安全」という安心感が、高齢者自身の「もっと動かしたい」という意欲を引き出す好循環を生んでいます。