実際にパレット上で絵の具の赤と緑を混ぜ合わせる際、配合する割合によって完成する茶色のトーンは驚くほど多彩に変化します。混色実験から導き出された代表的な比率と発色の傾向は以下の通りです。
【赤7:緑3】温かみのあるテラコッタ・赤茶色
赤の主張が強い配合では、レンガや素焼きの陶器のような温もりのある赤茶色が生まれます。人物画における肌の深い陰影や、夕暮れ時の木々の幹を描く際に最適な色合いです。
【赤5:緑5】深みのあるダークブラウン・ビターチョコレート
等量で混ぜ合わせると、赤みと緑みが絶妙に打ち消し合い、濃厚なチョコレートのようなニュートラルな濃茶色になります。市販の茶色絵の具(バーントアンバー等)に極めて近いトーンをパレット上で再現可能です。
【赤3:緑7】渋みのあるカーキ・オリーブグリーン
緑を多めに配合すると、ミリタリー調のオリーブドラブや枯れ草のような渋いアースカラーが仕上がります。風景画で木々の奥まった影や、苔むした岩肌を表現するのに重宝します。
絵の具を綺麗に調色するコツは、「明るい色や淡い色をベースに、暗い色を少しずつ足していく」ことです。一気に同量を混ぜるのではなく、赤を置いたパレットの端に緑を筆先で少量ずつ加えながら練り合わせると、濁りすぎを防ぎながら狙い通りの明度と彩度に調整できます。