本作がこれほどまでに支持されるのは、日本の商業漫画においてタブー視されがちな「中高年の性事情と本音」を真っ向から描いているからだ。若さという武器を失ったとき、人はどうやって自分の価値を証明すればいいのか。シゲカヨの葛藤は、まさに現代の多くの女性が抱える潜在的な不安そのものである。
「もう若くない」という現実を突きつけられながらも、女としての自分を捨てきれない。そのジレンマが、生々しいセリフの端々から伝わってくる。安野モヨコの筆致は容赦がない。綺麗事では済まされない更年期の体調変化や、夫婦間のレス問題など、目を背けたくなるような現実がこれでもかと突きつけられる。