番組の歴史における最大の転換点の一つが、放送開始25周年を機に茨城県の里山でスタートした長期プロジェクト「かがくの里」です。放置された荒地を科学の力と地域の知恵を結集して再生し、持続可能な生態系と豊かな里山を取り戻すこの試みは、開始から10年以上の歳月を経て驚くべき成果を上げています。
大学の研究者、生態学の専門家、地元住民、そしてプロジェクト専任プレゼンターを務める渡辺裕太らが泥にまみれながら協働。フクロウの巣箱設置による生態系ピラミッドの回復、伝統工法を用いた母屋の建築、科学的知見に基づいた無農薬栽培や養殖など、その領域は多岐にわたります。
この取り組みは単なるテレビ番組のロケ地整備にとどまらず、アジア太平洋放送連合(ABU)賞をはじめとする国際的なメディア賞でも極めて高い評価を獲得しました。テレビのバラエティ番組が主導して生物多様性の保全と学術的知見の蓄積を両立させた事例として、国内外の環境学会やメディア研究者からも注目の的となっています。