現在、ノスタルジーから「メルカリで当時品を探して子どもと一緒に遊ぼう」と考える人が増えているが、ここには重大な落とし穴が存在する。2000年代前後に製造された画材の中古・デッドストック購入は実用的リスクが極めて高い。
取材と検証から明らかになった主なリスクは以下の3点である。
- 固形絵の具の完全硬化と変質:本製品の絵の具は半固形状の特殊水性顔料がベースとなっている。製造から15〜20年以上が経過した個体は、未開封であっても油分や水分が完全に揮発してカチカチに硬化しているか、逆に湿気でカビが発生しているケースが目立つ。水を加えても顔料が均一に溶け出さず、当時の鮮やかな発色は得られない。
- スポンジブラシの加水分解:付属の幅広ブラシやローラーに使用されているウレタン系スポンジおよび接着剤は、経年劣化(加水分解)によって触れただけでボロボロと崩壊する状態になっていることが多い。
- 子どもの肌への安全性:長期間保管された化学画材は成分変化を起こしている可能性があり、小さな子どもが誤って肌につけたり吸い込んだりした場合のアレルギー・安全性リスクを担保できない。
単なるコレクションやインテリアとしてパッケージを保存する場合を除き、描画を楽しむ目的で高額な当時品を中古購入することは避けるべきである。