宇都宮駅から車を走らせること約20分、住宅街と田園地帯の境界を抜けると突如として現れる深い緑の結界。「若竹の杜 若山農場」の総敷地面積は約24ヘクタール(東京ドーム約5個分)に及び、そのうち約21ヘクタールにわたって約10万本もの竹が整然と林立しています。この規模と手入れの行き届いた景観は日本国内でも極めて稀有であり、数々の映像クリエイターが「ここでしか撮れない画がある」と口を揃える理由となっています。
なかでも社会現象を巻き起こした映画『るろうに剣心 京都大火編 / 伝説の最期編』や映画『キングダム』シリーズ、さらには大手飲料メーカーの緑茶CMなど、重厚な世界観が求められる超大作のロケ地として抜擢されてきました。制作関係者の証言によると、「CG合成では決して再現できない、竹林を吹き抜ける風のうねり、地面に落ちる繊細な木漏れ日、歩行時の土の沈み込みが役者の身体表現を研ぎ澄ませた」と語られています。
なぜ、これほどまでに竹林が美しく保たれているのでしょうか。背景にあるのは、大正時代から続く「農業は土づくりに始まる」という若山農場の一貫した信念です。除草剤を極力使わず、有機肥料を用いた循環型自然農法を実践。公式発表資料によると、景観維持と資源活用のために毎年約2万本の間伐を行い、竹炭や竹チップとして土へ還す徹底したカーボンニュートラルへの取り組みが続けられています。商業的な観光施設として人工的に作られたものではなく、100年を超える営農の結晶であるからこそ、カメラ越しにも圧倒的な本物の迫力が宿るのです。