准看護師と正看護師の間にある給与格差は、看護業界における最も深刻な現実の一つです。厚生労働省が実施する「賃金構造基本統計調査」のデータを分析すると、正看護師の平均年収が約505万円前後であるのに対し、准看護師の平均年収は約415万円前後で推移しています。
月給ベースでは基本給や資格手当で数万円の開きがあり、それが賞与(ボーナス)の算定基準に跳ね返ることで、年間で約90万〜100万円の所得格差が生じます。20代から定年まで40年間勤務したと仮定すると、生涯賃金における格差は3,500万円〜4,000万円以上に達する計算です。
給与差が生まれる主な要因には、以下のような構造的理由があります。
- 資格手当の差:病院やクリニックの規定により、正看護師手当(月3万〜5万円)に対して准看護師手当(月1万〜2万円)と設定されているケースが多い。
- 夜勤・リーダー手当の制限:病棟での夜勤帯において、准看護師単独での配置が制限される場合があり、夜勤回数やリーダー業務手当に差がつく。
- 昇進・昇格のガラスの天井:主任や副師長、看護師長といった管理職ポストは正看護師資格が必須条件となっている医療機関が大多数を占める。
現場でどれだけ献身的に働き、臨床経験を積み重ねても、免許の違いという制度的な壁によって給与の上限が決まってしまうことへの不満は、現場の准看護師から常に聞かれる生の声です。