パッシングをめぐるトラブルの深層には、見過ごせない「パッシング東西の地域差」が横たわっています。警察関係者や自動車ジャーナリストの調査でも頻繁に指摘されている通り、居住地域や運転歴によってライト点滅に対する共通認識が真っ向から対立しています。
一般的に、関東地方を中心とする東日本では、交差点で対向車がパッシングした場合、「道を譲ります。先に行ってください」という譲歩のサインと解釈されるのが主流です。
ところが、関西地方や東海・名古屋圏の一部地域では歴史的に全く逆の認識が根付いています。対向車のパッシングは「俺が勢いよく突っ込むから出てくるな!」「直進優先だ、動くな」という強烈な自己主張・突入予告として用いられてきた経緯があるのです。
実際に交通鑑識の現場では、関東出身のドライバーが関西の交差点で「対向車がパッシングしてくれたから譲られたと思って右折を開始した」ところ、全開で加速してきた直進車と正面衝突し、「こちらは『来るな』と警告したのに突っ込んできた」と双方が激昂する事故事案が定期的に報告されています。同じ国、同じ道路交通法の下にありながら、光のシグナルに対する地域コードが完全に破綻している実態は、ドライバー全員が認識すべき致命的な盲点です。