2013年3月の東急東横線地下化に伴い、代官山駅と渋谷駅の間に生まれた地上線路跡地。そこに2015年4月、全長約220メートル、敷地面積約3,200平方メートルという細長い地形を活かして開発されたのが「LOG ROAD DAIKANYAMA(ログロード代官山)」です。
オープンから10年以上の歳月が流れた2026年現在、現地を訪れて真っ先に感じるのは、開業当初の過熱した商業的喧騒から解き放たれ、四季折々の植栽が豊かに茂る「都市の遊歩道」としての心地よさです。木造コテージ調の建築群は、経年変化によって周囲の緑とより深く調和し、かつてのような「話題のブランドを買うための商業モール」から、「散策の途中で寄り道し、テラスで上質な時間を味わう回遊型スポット」へとその性格を大きく変化させています。
ネット上の掲示板やSNSでは、後述する中核テナントの撤退以降「空き店舗だらけで寂れている」といった声が散見されます。しかし、現地の休日に足を運べば、オープンエアのテラス席でクラフトビールを傾けるグループや、焼きたてのパンを求めて列を作る近隣住民、愛犬を連れて散歩を楽しむ人々の姿で絶え間なく賑わっています。いわゆる「爆買い型の商業施設」としては終焉を迎えたものの、代官山という街の文脈に根ざしたライフスタイル空間としては、むしろ現在の方が確固たる支持を獲得しているのが偽らざる現場の実態です。