数ある神戸北野異人館の中でも、なぜイタリア館(プラトン装飾美術館)は突出したリピート率と熱烈な支持を誇るのでしょうか。その答えは、単なる展示施設にとどまらない「圧倒的な生活感と本物の芸術の融合」にあります。
大正初期(1914年)にアボイ氏の邸宅として建てられたこの洋館は、戦後にイタリア人の手へと渡り、現在は装飾美術館として一般公開されています。しかし、行政主導の展示施設とは根本的に異なり、現在も館主が実際に居住空間として使用しているエリアが存在します。「生活の体温が残る空間に、ルネサンスから18〜19世紀の欧州アンティークが息づいている」という特異な環境こそが、来訪者を一瞬で非日常へ引き込む最大の仕掛けです。
館内に足を踏み入れると、まず目を奪われるのが贅を尽くした家具調度品と絵画のコレクションです。ミレーやコローをはじめとするバルビゾン派の絵画、繊細な彫刻が施された暖炉、バカラ社製の豪奢なシャンデリアが、計算された美しさで配置されています。地下にはかつてのワインセラーを思わせる空間が広がり、サロンからテラスへと抜けると、南欧のリゾート地を彷彿とさせるエメラルドグリーンのプールが姿を現します。
さらに、テラスやプールサイドに併設されたイタリア館のカフェでは、本場イタリアのエスプレッソや自家製ケーキ、軽めのランチプレートを楽しむことができます。爽やかな風が吹き抜ける中庭で過ごすティータイムは、「神戸にいながら地中海の邸宅に招かれたかのような錯覚を覚える」と多くの女性客やカップルから絶賛されています。また、館内で貴族風の衣装を身にまとって記念撮影ができるドレス体験も根強い人気を博しており、異人館街のフォトジェニックな体験価値を牽引し続けています。