昭和40年代から50年代にかけて社会現象を巻き起こした幸福駅ですが、鉄道が走らなくなった現在も決して放置された廃墟にはなっていません。帯広市によって「幸福交通公園」として大切に維持・管理されており、十勝地方を代表する観光名所のひとつとして年間を通して多くの人々で賑わっています。
かつての木造駅舎は長年の風雪による老朽化が進んで倒壊の危険が生じたため、2013年に大規模なリニューアル工事が実施されました。解体新築ではあるものの、当時の柱や板材などの古材を約半分再利用し、昭和の佇まいとレトロな質感を忠実に再現。安全性を確保しながらノスタルジックな雰囲気をそのまま受け継いでいます。
駅舎内に入ると、壁面から天井に至るまで、訪問者が願い事を書き残した「ピンクの記念切符」が隙間なく貼り巡らされており、圧倒的な熱量と歴史の積み重ねを肌で感じることができます。銀世界が広がる冬期から新緑が眩しい夏期まで、四季折々の美しい十勝の風景と調和した空間が広がっています。