世界的なフードYouTuberであるマーク・ウィーンズ(Mark Wiens)が世界中を食べ歩き、Netflixのドキュメンタリー『ストリート・グルメを求めて: アジア』でも描かれたように、東南アジアの食文化の神髄は「容赦のないパンチ力」にある。甘味、酸味、塩味、辛味、そしてハーブの苦味が一口の中で激しく火花を散らす。
その真骨頂が、世界三大スープの一つとして名高いトムヤムクンだ。レモングラスの鮮烈な香り、カー(ガランガル)の野性味あふれる風味、そして有頭エビの濃厚な味噌がココナッツミルクやナムプリックパオと溶け合う。本場のレシピに忠実な名店では、ハーブを惜しげもなく使い、煮込むのではなく素材の香りをダイレクトに引き出す抽出を行っている。