王室を巡る議論は、感情論から政治の現実へと移行している。カタルーニャやバスクをはじめとする地方自治州での反君主制運動は根深く、共和制移行を訴える左派政党の声は議会でも無視できない規模に達した。
スペイン・ブルボン家(ボルボン朝)の歴史は、追放と復位の繰り返しだった。1868年の革命、1931年の第二共和政、内戦、フランコ独裁。そして現在の立憲君主制。彼らは常に危機の淵に立たされてきた。欧州王室ジャーナリズム・国際政治の専門家たちは、スペインの君主制が今、王政復古以来最大の正念場を迎えていると警鐘を鳴らす。
国民の過半数が「王室は本当に必要なのか」と問い直すなか、王室が提供すべき存在意義は、単なる歴史の象徴から「国家統合の防波堤」としての実利へとシフトしている。