保冷剤の袋を破り、ジェル状の中身を「液体だから水と一緒に流れるはず」とシンクやトイレに流してしまうトラブルが後を絶ちません。結論から申し上げますと、保冷剤を排水口やトイレに流す行為は絶対に避けるべきです。
ソフトタイプの保冷剤の中身は、約98%の水分と、わずか1〜2%の高吸水性ポリマー(SAP)で構成されています。高吸水性ポリマーは紙おむつや生理用品にも使われている素材で、わずかな量で自重の数百倍から約1000倍もの水分を取り込んでゼリー状に固める特性を持っています。
この物質は水に溶けるのではなく、水分を吸収して膨張し続けます。キッチンの排水トラップや下水へと続く排水管のカーブ部分、トイレの狭い排水路に流れ込むと、管内の水分を吸って巨大なゲルブロックへと成長し、水の通り道を完全に遮断してしまいます。特にトイレは水流の勢いがあるため流れたように見えても、奥の配管内で膨らんで重度な閉塞を引き起こし、逆流事故を招く危険性が極めて高いのです。