取材でほぼすべての医師が挙げた最大のNG行動が、「処方された薬を勝手にやめる、あるいは量を調整する」ことだ。さらに悪質なのは、それを次回の診察で申告せず「指示通りに飲んでいました」と嘘をつくケースである。
薬の効果が出ていないと判断した医師は、さらに強い薬を追加したり、不要な精密検査をオーダーしたりせざるを得なくなる。これが思わぬ副作用や医療過誤の温床となるのだ。服用による体調不良や金銭的な理由で続けられないのであれば、それを率直に伝えることこそが患者の責務といえる。
サプリメントや市販薬の併用を隠す行為も致命的だ。血液を固まりにくくする薬を飲んでいる患者が、医師に無断で特定の健康食品を摂取し、重大な出血イベントを引き起こす例は後を絶たない。「医師を怒らせたくない」という奇妙な遠慮が、自らの生命を危機に晒す結果となっている。